採用される学習計画書の書き方(華語文奨学金)
私は過去に華語文奨学金に合格し、現在台湾で台湾人夫と生活しています。
今回は、申請の時にとても苦労した学習計画書の書き方について解説していきたいと思います。
華語文奨学金の応募書類
- 奨学金申請表 1通
- 奨学金承諾書 1通
- 日本語の「学習計画書」 1部 ←これです。
- 台湾の大学に入学申請した書類(コピー可) 1部
- 認証済みの最終出身校(高校或いは大学)の全学年の成績証明書(日本語と英語の訳文とそれぞれ1部が必要)。GPA 成績書がある者は、認証された GPA の成績書を提出する)。 各1部
- 認証済みの最終出身校(高校或いは大学)の卒業証明書、修了証明書又は在学証明書(日本語と英語の訳文とそれぞれ1 部が必要)。 各1部
- 推薦状 2通
- パスポートの写し(A4) 1部
- 返信用封筒(長形3号の封筒に414円分の切手を貼り、表に自分の宛名と住所を記入したもの) 3通
学習計画書とは
まず、選考の要と言われている学習計画表がどのようなものかというと、
日本語で3000字程度、A4横書きパソコン(Word等)で作成されたものです。
内容は、志望する大学名、台湾留学をする理由、留学中の具体的な学習計画、帰国後の計画(学業、職業含む)を詳細に記載することとなっています。
私は一年前からぼんやりと何をどのように書こうかと考えていたのですが、実際に手を付けたのは募集開始の2か月前の12月頃でした。
まずは、過去の経験や現在(当時)の仕事、将来どうしたいかなどを書き出しました。まとめては書き直しを繰り返し、最終的には2月中旬に完成させました。
私は学生時代、あまり真面目な学生ではなかったため、計画書の書き方がよくわかりませんでした。なので、大学院のための研究計画書の書き方や読みやすい文章の書き方の本を読んで参考にしました。
- 将来何のためにどうなりたいのか(=台湾留学後、社会にどのような素晴らしい影響を与えられるのか)
- そのために現在行っていることor足りていないこと(=留学を通して手に入れられることor留学しなければならない理由)
- これまでの一貫した行動or過去の成功体験(計画を実行できる人間だということの証明)
この三つをうまく繋ぎ併せればそれなりに良い計画書ができると思います。
ブレインストーミング
書き始める前に、私が何度も行ったブレインストーミングの方法を紹介します。
よくある枝状につなげていく方法ですが、頭の中を整理するのにも役立つし、論理的に説明しやすくなるでおすすめです。ぜひ試してみてください。
ステップ1
「留学したい理由(why)」を思いつく限り紙に書き出します。
例えば、中国語の映画やドラマを字幕なしで見たい、好きな芸能人と中国語で会話したい、台湾を観光したい、おいしいものを食べたい、バイリンガルってかっこいい、今の仕事を辞めたい、台湾人の恋人と結婚するために台湾に行きたい、etc...
頭の中を整理するためなので、素晴らしい理由ばかりでなくて大丈夫です。
また、奨学金をもらえる期間は最長でも1年ですが、その期間を考慮する必要もありません。不純な理由、いつか叶えたい夢もとりあえず書き出してみてください。
ステップ2
次に、自分が書いた「留学したい理由(why)」の理由(reason)、どうしてそう思うのかを書き、線でつなげます。理由(reason)はいくつあっても構いません。被っても構いません。
理由(reason)を見るとあなたの現状や足りていない部分、困っていることがはっきりしてくると思います。それも思いつく限り書き出し、線でつなげておきましょう。
ステップ3
そしたら、「留学したい理由(why)」についてもう少し詳しく見ていきます。
「留学したい理由(why)」の中には、短期間では達成できないものもあるはずです。社会に貢献できる夢ばかりではないかもしれません。
しかし、華語文奨学金の審査員が求めているのは、台湾と日本の社会に貢献してくれる人材です。自分の夢ばかり追いかけていては応援してもらえませんので、それがどう社会で役立つのかを考える必要があります。
この段階では、無理やりな理由でも構いません。とりあえず、社会と結び付けられないか考えてみてください。
ステップ4
最後に、留学中または留学後近い将来に達成できる「目標」を定めます。
理由(reason)で現状と夢がどれほど離れているか分かったと思うので、無理な目標は立てずにすむと思います。
こんなふうにマインドマップを作ると、留学の志望理由、 留学中の目標、そのための具体的な学習計画、帰国後の計画が見えてきます。
ちなみに、書き出した紙はぜひ最後まで取っておいてください。学習計画書を作成しているあいだ、行き詰ったときに見直すとまた頭を整理することができますし、留学までのモチベーションにもなります。
また、学習計画書を作成する際は、ブレインストーミングで書き出したすべてを書くのではなく、審査員に響きそうなwhyを3つほど選び、さらにその理由(reason)をそれぞれ3つずつ書けば、あっという間に3000字の説得力のある計画書が出来上がります。
why選びのコツとしては、逆の立場(審査員)になって考えてみることです。
自分にとってのトップ3を選んで思いのたけを語るのではなく、審査員はどんな人に台湾人の税金で留学してほしいと思うだろうか、それをしっかりと考えて選んでください。
ちなみに私の場合、台湾留学を志望した一番の理由は、当時付き合っていた台湾人の彼のご両親から「結婚する前に1年間語学学校に行き中国語をみっちり勉強すること」との御達しがあったからです。
しかし、そんな理由が社会に大きな貢献を果たすわけがないので、一切伏せました。
ただ、ほかに書いた理由も嘘ではありませんし、学習計画書に書いたことを実践すればいいだけのことなので、志望理由の順位は関係ありません。実践する気があれば問題なし!と私は思っています。
私の学習計画書
具体的に私がどんな内容を学習計画書に書いたかというと、
台湾留学の志望理由7割、留学中の具体的な計画2割、留学後の計画1割、
こんな感じでした。
志望理由は、最初のブレインストーミングから、3つを選びました。
why①
仕事で中国語の必要性を感じている。
reason1
英語でのコミュニケーションがうまくいかない外国人に対応することができず、もどかしさを感じている。
reason2
今後も中華圏からの訪日客の増加が見込まれる。
reason3
中国語で対応することができれば仕事の幅が広がる。
why②
留学中に台湾の歴史や文化を学び、自分の特技(日本文化)を披露するなどして現地の人と交流したい。
reason1
台湾人は親切で、歴史や文化に詳しく、自分の国に誇りを持っているという印象を持っていた。
reason2
一方、私は日本の歴史、文化の知識が乏しく、外国人と関わる仕事をしていながら、知らず知らずのうちに不快な思いをさせていたことがあったのではと反省。
reason3
帰国後、日本人に台湾の歴史や文化を伝えるとともに、自分たちの歴史や文化を知り、伝える力を養うことの大切さを知ってもらいたい。
…こうやって書いてみると、薄っぺらいですね。
でも当時の職業から少しは説得力があったのかもしれません。
why③
台湾で中国語を勉強したい。
(台湾に行かなくても中国語は勉強できるでしょ、と思われたくなかったので、台湾で中国語を勉強しないといけない理由を書きました。)
reason1
台湾人の話す中国語が好き。
reason2
旅行中に台湾人の温かさにふれ、安心して学業に専念することができる場所だと感じた。
reason3
志望する語学センターの特徴や周囲の環境などから語学だけでなく文化にも触れることができる。
学習計画書を書くときのコツ
こんな理由で採用されたのかと思われるかもしれませんが、
とにかく学習計画書を書くコツとしては、過去・現在・未来の一貫性を重視し、募集要項に書かれている「台日の教育、科学技術および文化の交流を促進し、若い世代の相互理解と関心を深める」という目的に添うようにアピールすることです。
内容が固まり、最終的に作成する際は、5W1Hや「てにをは」には十分注意して書いてください。
見栄えをよくするために枠を作ったり、数字を使ったり、箇条書きにしたりと研究計画書の書き方を真似して作成してみるといいと思います。
内容が良くても読みにくければ、最後まで読んでもらえない可能性もあると思いますので、見やすさ、読みやすさは意識してください。
最後に
ほかの書類にも言えることですが、学習計画書は特に念入りにチェックを行ってください。
あなたのことを知らない人が読んでも理解できるか、理由と結論がきちんと対応しているかどうか、誤字脱字がないか。
できればチェックは他人にやってもらうのが理想的です。頼める人がいない場合は、翌日、翌々日と日を改めてチェックしたほうがミスに気が付きやすいです。
ブレインストーミングをして学習計画書を完成させたら、留学に対するモチベーションはかなり上がります。
できることなら、合格して奨学金で留学したいというのが本音だと思いますが、できなかったとしても、悔いはないと思えるくらい、学習計画書の作成はいい経験になると思います。あきらめずに、加油~!!